生クリームと砂糖のベストな配合比率は?砂糖なしでのホイップも可能?
デザートを特別なものに変える生クリーム。その甘みが口の中に広がると、幸せな気持ちになるのはなじみ深いですね。
それでは、生クリームを最もおいしく仕上げるためには、どれくらいの砂糖を混ぜればいいのでしょうか。
もし甘いものが苦手な人がいたら、砂糖を使わない生クリームを楽しむことは可能なのでしょうか。
ここでその方法について見ていきましょう。
生クリームに適した砂糖の量
生クリームに加える砂糖の理想的な量は、クリームの量に対しておよそ6%から10%です。
例えば、200mlの生クリームには、大体12グラムから20グラムの砂糖が適量とされています。
これは好みに応じて加減することができますが、砂糖の量を控えめにする場合は、いくつか気を付けたい点があります。
砂糖なしでもホイップは可能?
実は、砂糖を加えなくても生クリームをしっかりとホイップすることはできます。
- 砂糖を加えずにホイップした生クリームは「クレーム・フェテ」と呼ばれます。
- 砂糖を入れてホイップした生クリームは「クレーム・シャンティ」と称されています。
ただし、これらの名称はお店によって異なる場合があるため、絶対的なものではないと言うことを心に留めておいてください。
生クリームにおける砂糖の役割
砂糖を生クリームに混ぜることによって、次のような利点が得られます。
- コクと濃度の増加
- 水分の調節
- 甘さの追加
コクと濃度の増加
砂糖を混ぜ込むことで、生クリームはより濃厚な質感を持つようになります。
生クリームに砂糖が結合することで、シロップに近い粘り気が生まれ、見た目にも艶が出てきます。
これは生クリームがより扱いやすくなり、安定した形を保ちやすくなるため、デザート作りにおいて重宝される性質です。
生クリームの安定性について
ショートケーキの製作において、見た目を美しく保ちながらケーキの層を支えるのは生クリームの役割です。
生クリームは層間の結びつきや表面装飾において欠かせない要素となっています。
粘度が十分でないと、ケーキの層は安定せず、デコレーション作業時に動いてしまったり、フルーツが滑ったりして、最終的な見栄えに影響を及ぼします。
また、均等に伸ばせないとケーキの側面装飾が困難になり、仕上がりが想定していたものと異なる結果となります。
ケーキの表面塗り(ナペ)における砂糖の必要性
ケーキの表面や側面にクリームを塗る作業を「ナペ」と呼びますが、ナペが上手くいかない場合、しばしば原因は生クリームの砂糖量不足にあります。
砂糖が少ないと何度も塗り直す必要が出てきてしまい、その作業はクリームの品質や味に影響を与えます。
見た目のツヤや仕上がりにも大きな差が出るため、砂糖の適量を守ることが特に初心者にはおすすめです。
デコレーション時のクリームの扱い方
デコレーションで生クリームを絞り出す際、粘度が足りないとクリームはケーキにしっかりと固定されず、形を保つのが難しくなります。
特にケーキの側面に繊細なデザインを施す場合、クリームがすぐに剥がれてしまう恐れがあるため、適切な砂糖の量を加えることが大切です。
細かい装飾を施す際には、クリームの扱いやすさを保つためにも砂糖の量を適切に調整する必要があります。
水分の調整
砂糖には空気中の水分を取り込もうとする性質があり、これが生クリームを安定させる効果をもたらします。
生クリームが過度に泡立てられると分離してしまうことがありますが、砂糖の保湿効果がこれを防ぐ役割を果たします。
余分な水分が砂糖と結合し、生クリームが分離しにくくなります。
生クリームに何度も触れるナペ作業では、クリームが荒れてしまうことがあります。
従って、砂糖の保湿効果は特に時間が経つにつれて生クリームの状態を保つのに重要です。
甘さの追加
砂糖を生クリームに加える最も明白な理由は、その甘さを増すことです。
一般的に、生クリームに甘みを足すことは、風味を豊かにし、その濃厚さをさらに引き出すために行われます。
たとえば、砂糖を加えない生クリームと加えた生クリームでは、ただ甘さが異なるだけでなく、その味わいや使い道にも大きな違いが生まれます。
砂糖の多い生クリームの挙動
砂糖の比率を高めると、生クリームは気泡を保つのが難しくなり、結果として柔らかくなりがちです。
これにより、デコレーションに必要な固さを出すことが困難になることもあります。
特に絞り袋を使ったデコレーションの場合、クリームが流れやすく、形状を維持することが難しくなります。
生クリームに砂糖を10%以上混ぜる場合は、形をしっかり保つためにも、その使用方法をよく考える必要があります。
生クリームに適した砂糖の種類
生クリームに砂糖を加える際、特定の種類を選ぶ必要はありません。お好みに合わせて自由に選べます。
砂糖には様々なタイプがありますが、生クリームの濃厚な味わいが支配的なため、砂糖の風味の違いはあまり際立たないかもしれません。
溶解性を優先するなら、細かくて溶けやすい粉砂糖がクレーム・シャンティを作る際に適しています。これは、粒子が細かいため生クリームに素早く溶け込みます。
また、製菓用のグラニュー糖も粒子が細かく、溶けやすいので推奨される選択肢です。
砂糖を加えるタイミング
生クリームを泡立てる前に砂糖を加えるのが通常です。
砂糖を加えていない状態の生クリームは空気を取り込みやすく、そこから泡立てることができます。
ただし、泡立ち始めた後に砂糖を加える場合もあり、その際には溶けやすいタイプの砂糖を選ぶ必要があります。
普通のグラニュー糖を使う場合は、泡立てる前に加えることで生クリームに溶けやすくなります。
その時、泡立て器で軽く混ぜ合わせることにより、砂糖を均等に溶かすことが可能です。
生クリームを美味しく楽しもう
今回は生クリームを泡立てる際の最適な砂糖の量は、およそ6%から10%であることや、砂糖を使わない生クリームがあること、そして砂糖の持つ役割について紹介しました。
甘さ控えめが好きな方は、クレーム・フェテを堪能してくださいね。
そして甘いクリームが好きな方は、砂糖の入れすぎに注意しつつ、好みの甘さを見つけてみてください。